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 12月の森リン大賞と上位入賞者の紹介(中3の部、高校生の部) Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
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12月の森リン大賞と上位入賞者の紹介(中3の部、高校生の部) as/4921.html
森川林 2024/01/10 08:12 



12月の森リン大賞と上位入賞者(中3の部136人中)


言葉に愛を
わてひ
 日本では、文字はオリジナルで音はそのなぞりであるという考えがある。だが、これは文化の交流が一方的に統制されたものから相互的で直接的なものへと移ると、言葉は紙から抜け出でて音になる。人の名前の呼び方が漢字の文字とカタカナの音に分かれる場合、愛の伴う関係であれば、相手の名前を紙に書かれる文字ではなく音で呼ぶはずである。私は、言葉に愛を込められるような生き方をしたい。

 そのためには第一に、相手の名前などをしっかり覚えておくことだ。私は昔、名前は何故あるのかを考えたことがある。その時に結論は出ることはなかった。だが、今考えてみるととても大切なものだと感じる。そう感じた大きな理由は「Itと呼ばれた子」という本を読んだからだ。私も自分の名前を呼ばれなかったら、寂しいし嫌だと感じる。そのためこの本を読み、私の名前に対する浅慮な考えが深いものへと変化した。相手の名前などをしっかり覚えておくことで、その相手とのコミュニケーションが円滑に進んだり、親交が深まるだろう。

 また第二の方法としては、国同士の間でも、相手の言葉や文化を尊重することだ。昔、中国は半植民地化していた。それはフランスが意図して起こしたアヘン戦争のせいといっても過言ではない。その半植民地化には相手の言葉や文化を尊重するなどといった優しさが一欠片もなく、ただ己の利益を優先した結果のみが残っている。そのため、太平天国の乱だのなんだのがアヘン戦争後に起こった。これと異なりモンゴル帝国のフビライは、それぞれの地域の文化をそのまま生かす政策をとった。どのような政策であるかというと、征服地にフビライは言語や宗教などに多様化を認めた。そのため征服された地域からの反感が比較的少なかったと言われている。相手の言葉や文化を尊重することで余計な軋轢を生むことがなく、良い人間関係を築くことができる。

 確かに、合理的に物事を進めるためには、言葉を記号として扱う方が便利な場合もある。その一つの例が住民基本台帳ネットワークに見られる国民総背番号制だ。しかし、私たちは、言葉に愛を込めるような生き方も忘れてはならないだろう。『家とは、外から見るためのものではなく、中で住むためのものである』という言葉がある。名前もまた、外から見るための符号ではなく、その中で生きている人間と密接に結びついていると考えるべきである。そのため私は私は、言葉に愛を込められるような生き方をしたい。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1言葉に愛をわてひ88101564868690
2貪欲にあいめえ81108649858489
3他者から自己へあああさ80118353989081
4諦めない精神たいせい78103846788889
5後悔しないためにはしらたま77107348728586

12月の森リン大賞と上位入賞者(高1高2高3社の部292人中)


公という場
サーサ
 「内と外の礼儀作法は違うべきものだ。」
家にいるときと、外にいるときを内と外と言い表すことがある。「内弁慶の外地蔵」という言葉が生まれるのも、神仙思想の生まれるのも、皆内と外を分けるからだ。内と外はハレとケ、雅俗や公私、表と奥と東洋史において幾度も姿を現す二項対立といえよう。私たちは公のものの役得を当たり前、よいだろうと思いがちだが、経済成長と徳の成長を妨げているということが問題として予測される。それはどのように防げるだろうか。ここで二つの対策があげられる。

 その対策は第一に、ものには必ずつがいがあり、魂があることを覚えることだ。昔からものには神が宿るとされてきた。また、「もの」は「恐れ多くかけまくも畏き有様」を言うことであった。つまり、ものとは神と我の境であった。一方で、古文で表したことからもこれらの表し方が今の世と離れたものとなっているということが見て取れる。あらゆるものには神が宿り、役得が憚られるという内と外の境としてのものがなくなった。つまり、公と私の境も同じくらいなくなっているのではないかと私は、考える。しかし、資本主義の言葉でも、ものは必ず対価を持っている。対価は反作用を生み、物理法則と同じ方程式が時に用いられる。このような理性を持っていれば、することによって人が評価される実在論でも公私混同は避けられる。このように、ものの与える反作用を考えることで公と私の差を作り、想像力で神や法が世を治めるのであると私は、考える。

 また第二の理由としては、公のものは皆で平等に必要な分だけ使わねば皺寄せがくることを思い遣ることだ。おおやけとは「大宅」で、第一の家であると「岩波古語辞典」には書いてある。たとえば私も、家の中のものは家のものが使うことを考えて使う。「イへ」や「ヤカ」というのは、公の性質を含む共同体なのだ。また公の施設である図書室のものは、図書室の中で使われ、当たり前のことだが期日を守り返されるべきものだ。もし返却期日を破って返さなければものの属性の変化による反作用を覚悟しなければならない。つまり「ヤケ」というものは、ものの在り方を規定する存在なのだ。だから、共有の書物にすじを引くことは図書室というヤケを脱することで叱責されるべきことなのだ。「オホヤケ」とはものが法によりものたり得る認識の普遍化への動きであり、我々は覚悟を持って法を知らねばならないと私は、考える。

 確かに、私たちは公のものを使える立場にあるのだから多少の役得はあるべきだという意見もある。しかし公のものとは、物が独立で存在するのではなく公の掟が存在させているものである。だから、私たちは公のものの役得を当たり前、よいだろうと思いがちだが、経済成長と徳の成長を妨げているということが問題として予測される。これから私は、内と外の境を覚えることで公と私を作り出し、ものの定義を生み出し、伝えたい。

順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1公という場サーサ9312027610111095
2特許の役割あえほゆ93141473898889
3思考と行動(清書)わえへ92124563898797
4体のバランスさとり90121963828395
5やってみないとわからない(清書)かたおか89183363839286
6ぶんかあきつぐ85109861727393
7ボランティアの心ああおよ8413546111110087
8「本当はタダ働きしたいんだ。」あうゆな841471569510092
9真の規則(清書)ああとか8398369847880
10頑張ることが大好きなあえけと83108948677289

 2023年12月の森リン大賞のページです。
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php?nenn=2023&tuki=12


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