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優しい母が減って怖い母が増えたのはなぜか as/979.html
森川林 2010/07/31 17:58 


 私の母は、優しい人でした。母に怒られたり叱られたりしたという記憶がありません。

 小学生のとき、学校をちょっとさぼりたいときがあり、「今日は頭が痛い気がする」と言うと、すぐに熱を測ってくれて、ほとんど平熱なのに、「うーん、ちょっと熱があるから風邪気味かもしれないね。じゃあ、学校休もうか」「うん」ということも何度かありました。

 海辺の街で、言葉づかいの悪い友達が多かったので、たまに家の中で、「ばか」とか「てめえ」などと言うと、悲しそうな顔をして、「そういう言葉はつかうんじゃないよ」と優しく言いました。学校の成績がいいと普通に喜んでくれましたが、成績が悪いとか何が悪いとかいうことで注意されたことがありませんでした。

 かくれんぼをして地べたに寝ころんで服を泥だらけにして帰っても、何も言わずに洗濯をしてくれました。山で遊びまわり、服にアメリカセンダングサの種をいっぱいつけて帰ってきても、静かにその取りにくい種を取ってくれました。

 小学校のころ、夏休みの最後の日の夜になって、工作の宿題を作っていないことに気づき、そのことを母に言うと、「じゃあ、お母さんが作っといてあげる。いいから、寝なさい」と言ってくれました。さすがに夜中に気になってそっと隣りの部屋をのぞくと、母がボール紙と糸巻きでおもちゃのエレベータを作っていました。

 そういう子供時代をすごしたので、母親というのは優しいものだと思っていました。

 ところが、言葉の森で、子供たちに作文を書かせるとき、子供と話していて、「お母さん、優しいでしょ」と聞くと、10人中10人が、「ううん。怖い」と言います(笑)。

 なぜ母親が怖くなったかというと、日本の社会に、学歴主義の広がりという変化があったからだと思います。

 私が子供のころ、学歴というものはそれほど重視されていませんでした。みんな、生活に追われてそれどころではなかったのだと思います。

 しかし、その後、学歴で社会の入口が決まる傾向が出てくると、古い体質の組織では、入口に応じて出口も決まるような傾向になり、学歴で人生設計が大きく左右されるようになりました。

 だから、そういう社会で子供のことを考えれば、親が学歴に力を入れるのは当然です。現代の母親は、子供のためを思って怖い母親になっているのです。

 しかし、子供時代に叱られながら厳しく育つと、頭脳があまり成長しません。

 大学入試は、小中のころの成績よりも高校時代の成績と関連が高く、高校時代の成績は本人の意欲と結びついています。その意欲のもとになるのは、幸福な子供時代の蓄積です。

 また、人生に対する基本的な幸福感や、社会に対する根本的な信頼感や愛情も、ひとえに母親の優しさによっていると思います。

 母親がたまに怖いのはやむをえない面もありますが、できれば怖い役は父親に任せて、母親はできるだけ優しい存在であってほしいと思います。そして、その方が、長い目で見て子供のことを考えてあげたことになるのです。
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コメント欄

あーあー 2019年7月4日 10時54分  
若い世代ほど非寛容に感じる。
選択肢の制限と堕落した快楽が人心を荒廃させている。

森川林 2019年7月5日 9時16分  
 若いお母さんは、自分も塾世代なので、勉強を競争のようにとらえてしまう人が多いのだと思います。

匿名 2019年9月7日 16時4分  
殴る脅す以外の怒り方しか知らない男も増えている気がする
母親が周りを頼れないと追い詰められて誉めるも叱るも1人でこなしているような印象を受ける

男女共に子育てのノウハウや必要な教育が増えすぎているのでは

森川林 2019年9月7日 18時22分  
匿名さん、そのとおりですね。
勉強よりも、子育ての仕方を学ぶ必要があると思います。

子供時代は「花の家」 2019年11月3日 9時31分  
言いことおっしゃいますねぇ。
よくぞ言ってくださいました。
全く同感です。
素敵なお母さんが増える世の中になってほしいです。

森川林 2019年11月3日 17時41分  
花の家さん、ありがとうございます。

わんを 2022年1月27日 15時28分  
私の親も怖くて、友達も親とか家族関係で困っています。
そして、その友達が病んでしまいました、。「やっぱり、私は生まれてこなかったら良かった」とか、「もっと才能があれば愛してくれた、、」とか愛して欲しかったが為に自分を追い込んでしまっていました、、
そんな人が少しでも減ればなと思っています。

森川林 2022年1月27日 17時53分  
 わんをさん、こんにちは。
 親も、初めて親をやっているので、試行錯誤なのです。だから、大きい気持ちで、そういう親も許して認めてあげるといいと思います。
 やがて、親も成長していくと思います。

鬼ママ 2022年2月22日 14時2分  
通りすがりに失礼します。

私自身、鬼母です。優しい母になりたいです。

「子育ての仕方を学ぶ必要がある」とのコメントは、その通りだと思います。ただ、これは学校で学ぶものでもなく、皆ぶっつけ本番でいきなり親になるので、子育てはとても難しいです。

「女性が輝く社会」というフレーズのもと、母親は、家事育児だけでなく、仕事もして「キラキラ」しなさい、という社会の圧力もあり、ニコニコ笑顔でゆったり子育てをするのはとても難しい社会なのではないかと思います。

成績が悪ければ母親のせい、素行が悪ければ母親のせい…。しっかり育てないと、と思うと、厳しく叱ってしまうことも多いです。

どのような心構えで子育てをしたらよいか、教えていただけないでしょうか?(そういう講座があれば需要があるのでは?)

森川林 2022年2月24日 19時37分  
 優しい母になるために大事なことは、決心です。
 それ以外の方法はありません。
 どんなにくたびれていても、イライラすることがあっても、時間がなくても、「明るくやろう。子供に優しく接しよう。楽しい人生を生きよう」と決心すればいいのです。
 この言葉がわかる人は、苦労したことのある人だと思います。「そんなこと言われても……」と思う人は、まだ苦労していない人だと思います(笑)。
 すべては決心だと思ってがんばってください。

鬼ママ 2022年2月25日 13時23分  
森川林様、お返事をありがとうございます。

なるほど、その通りかもしれませんね。私は「優しい母になりたい」と本心では思っていないのかもしれません。いろいろな考え方があると思うので、私もよく考えてみます。

匿名 2022年4月8日 17時10分  
優しい、怖いはあくまで主観である。優しい、怖いには定義はない。統計的に優しい母親が減って、怖い母親が増えたというデータがあるわけでもない。傾向というのは実に曖昧なもので、量的なデータがなければ主観を述べることは出来ても、事実を述べることは出来ない。
怖い父親が減って、子どもに優しい父親が増えているのだろうか?怖い父親が減って、子どもに感心がなく、自分の好きなことばかりに注意をむける勝手な父親が増えているのではなかろうか?
そもそも怖い父親というのは、子どものために優しくなる決心がなく苦労したことがないから怖いのではなかろうか?

性認識についてこれだけ叫ばれるようになってきた現代社会で、どうして”母親”だけが優しくあれねばならないのだろうか?
人は皆、優しいに越したことはない。人が優しくなるために、苦労を重ねて決心する必要があるのであればそれで良い。優しくなる努力には無駄なものはないと思われる。

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優しい、怖いはあくまで主観である。優しい、怖いには定義はない 4/8
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3.11を思い 匿名
知ってます、知ってます。ただ、子供に教えるのはもっと先かな、 3/15
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